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よく検診にて、眼圧(がんあつ)の上昇や眼底検査における視神経(ししんけい)の異常を指摘された方はおられませんか? これらは緑内障(りょくないしょう)を疑う所見です。
「緑内障」(俗称:あおそこひ)とは眼と脳とをつなぐ神経である視神経が障害される病気です。眼の外から入ってきた光は、眼の中に入り眼底と呼ばれるところにある光を感じる膜「網膜(もうまく)」と言う、カメラで例えるとフィルムに当たるものに達します。そこに映った像は「視神経」というケーブルにて脳に伝わり、見ることが出来ます。
緑内障とは視神経が障害される病気なのです。この視神経が障害されると、物の見える範囲を示す「視野(しや)」が欠けてきます。しかし、内障の初期ではほとんど視野異常は自覚されず、病気がかなり進行してこないと自覚されません。そして、すべての視神経が障害されると「失明」に至ります。緑内障で一度障害された視神経は元に戻らないために、緑内障は早期発見・早期治療が大切といわれる由縁です。
これは、いろいろな原因が考えられています。眼の中を循環する水があって、この水が眼の外へ排出されにくくなって、眼の中に水が貯まって眼圧(眼球の硬さ)が上昇して、眼の中の神経が循環不全に陥り、神経が死んでしまうと言われています。
ただ最近は、この眼圧が上昇せずに、視神経が障害される「正常眼圧緑内障」が頻度的に多く、この場合、眼圧は正常ですので、病気の発見には先の眼底検査における視神経の異常で発見されることが多いです。
治療としては眼圧を下げることが一番です。方法としては点眼薬をします。しかし点眼薬だけではコントロール出来ない場合は、レーザー治療や手術をすることがあります。
緑内障の初期の段階ではほとんど自覚症状がなく、本人が発見するのが難しいのですが、眼底検査にて視神経の状態を観察することで初期の段階でも、発見できるために、人間ドックや社内検診で見つかることもしばしばあります。
現在、「わが国の40歳以上では30人に1人は緑内障患者」と言われており、潜在患者さんはたくさんおられると思われます。早期に発見されれば、治療によって食い止められることも多いので、検診など積極的に受診されることをお勧めします。
「緑内障は初期には自覚症状がないので、40歳をすぎたら、1年に一回は眼圧・眼底検査で検診を受けましょう」